西友はドン・キホーテが買収か?

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日本国内に335店舗を展開する小売大手の西友を、親会社であるアメリカのウォルマートが売却する方針を固めた。施設の老朽化、極度の業績不振に陥っている西友を買収する会社が果たして現れるのか、注目が集まっている。

 

西友売却決定までの経緯

 

最初に西友売却決定までの経緯を簡単に振り返ってみよう。西友は業績悪化に伴い、2002年にアメリカ小売大手ウォルマートと資本提携するに至った。アメリカ式の陳列方法を取り入れたり、大幅に販売価格を見直したりしたが、業績の低迷が続き、2008年にはウォルマートの完全子会社となり、さらに改革が推し進められた。

 

しかし、アメリカ式の経営方針が顧客はもとより、従業員にも受け入れられず、客数減少や従業員の士気の低下などにつながり、次第に負のスパイラルに陥っていった。なんとか業績悪化に歯止めをかけるべく、商品構成の見直しや店舗の改装、極端に業績が不振な店舗のスクラップなどを進めたが、功を奏することはなく、十分な利益を残せない体質になってしまった。非上場のため公式には発表されていないが、2017年12月期の売上高は約7000億円、純利益はゼロというのが市場の大方の予想である。

 

ウォルマート自体の業績は堅調に推移している。しかし、アマゾンや中国のアリババといった通販大手が急成長しているため、実店舗の売上比率が高いウォルマートとしては同様に通販に軸足を移さざるを得ない状況になりつつある。事実、イギリスやブラジルではスーパーマーケット事業を売却し、インド国内では大手の通販会社を買収している。そんななか、利益の出ない実店舗335店舗は今後大きな足かせになる可能性が高い。世界の通販大手に対抗するためには早急な選択と集中が迫られており、西友売却はその選択の一環だといえよう。

 

ドン・キホーテの西友買収は現実的?

 

ウォルマートが西友を売却する、という報道にいち早く反応したのが、ドン・キホーテである。商品を天井まで積み上げる「圧縮陳列」を始め、常識とされてきた販売方法をことごとく覆してきた、小売業界の「異端児」と呼ばれるドン・キホーテ。日本でもアマゾンや楽天といった通販が拡大するなかでも実店舗で順調に業績を伸ばし続けている。2018年6月期決算の売上高は9415億円、純利益は364億円で、29期連続で増収増益を達成。2019年度の売上高は1兆円を見込んでいる。

 

出店意欲も旺盛で、直近の5年間で約130店を開店させているのだが、その業態も多様なのが特徴だ。小規模な店舗は「ピカソ」の名称で雑貨を扱う。大規模店舗は「MEGAドン・キホーテ」として、食品スーパーと雑貨店を組み合わせた業態で展開している。こうした多様な業態を持つドン・キホーテは、いわゆる「居抜き」を得意としている。

 

居抜きとは、閉鎖した店舗の建物や内外装をそのまま使って出店する手法を指す。そのため、居抜きは出店に際しての初期費用を抑えられるメリットがある。過去には営業不振だった長崎屋を子会社化、居抜きの手法でMEGAドン・キホーテに業態転換して成功を収めている。このように居抜きを得意としていることもあり、ドン・キホーテの大原孝治社長は西友の買収に興味を持ったようだ。

 

ただ、多くのエコノミストの話を総合すると、ドン・キホーテ単独での買収は難しいようだ。理由は買収資金の問題である。経営不振とはいっても西友の総資産は約4000億円。2018年6月末時点でのドン・キホーテの現預金残高は約719億円だ。仮に西友の売却価格が総資産の4000億円程度としても、融資による相当額の有利子負債を抱えることを覚悟しなければならない。

 

そこでもっぱらネット上でエコノミストたちが信憑性の高い話として出しているのが、ドン・キホーテが伊藤忠商事と組んで買収をするのではないかというものである。ドン・キホーテは、すでに伊藤忠商事傘下のユニー・ファミリーマートホールディングスと資本提携を行い、旧ユニー店舗を居抜きで借り上げて店舗展開している。そんな蜜月状態にある両社が手を組む可能性は十分にあるだろう。

 

買収に積極的なのは今のところドン・キホーテだけのようだ。イオンは旧ダイエーの立て直しで手一杯。楽天は携帯事業に新規参入することもあり、実店舗に進出する余裕はない、というのが専門家たちの見立てだ。

 

まとめ

ウォルマートものんびり構えていられない状況でもあり、2018年度中には売却先が決まると見られている。大型の案件だけに今後の日本の小売市場にも大きな影響を与えることは間違いない。一等地に立地する西友も多いだけに、ドン・キホーテが出店すれば駅前の風景が一変するといった地域も出てくるだろう。それだけに今後の動向から目が離せない案件であろう。

 

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